ー大阪・北摂の里山の再現を目指し造成したTICの森が、淀川水系の豊かな生態系を導くー
2015 年 TIC の新設に合わせて、技術者の憩い・安らぎ、発想の転換の場となるよう、森を造成しました。植物の淘汰は自然に委ねる一方、従業員による愚直な保全活動を重ねてきた結果、TICの森の植生は、北摂の自然の森に近い姿へと変化してきました。この豊かな植生が淀川水系の生態系を呼び込み、ハヤブサ・ジャコウアゲハ・ハグロトンボ等々、日頃ごろ目にしない多様な生物が生息・訪れる森へと成長しています。
その中でもジャコウアゲハの幼虫は、淀川の河川敷に自生するウマノスズクサしか食べない希少な昆虫です。ウマノスズクサは TIC の森に植栽していないにも関わらず、風や野鳥の糞で運ばれた種が発芽し、自生しています。そのウマノスズクサを目指して淀川水系からジャコウアゲハが訪れています。また、春は満開のヤマザクラ、夏はせせらぎへのホタルの飛翔、秋は紅葉、冬はクヌギ・コナラの冬枯れなど、四季折々の自然を楽しめる場となっています。
ジャコウアゲハ
モズ
カワセミ
ウマノスズクサ
(準絶滅危惧種)
カンツバキ
ー社内から社外へー
森の育成は、部署を問わず、環境保全に関心のある従業員が関わっています。 これまで、森で自生したイロハモミジを所内へ広げる活動や、ホタルが生息する森の環境整備など、年々活動内容を広げてきました。 今では、地域の方々や近隣の小中学生に対する地域・教育貢献の場としても、森を中心とした交流が広がっています。 もともと技術者・研究者の憩いの場として作られたTICの森は、造成後10年を経て、社内外をつなぐ交流の場となるとともに、当社のCSR活動の多くを担っています。
TICの森で育ったイロハモミジの苗を、製作所内の各事業部で育苗し、持ち寄って移植することで、製作所の敷地全体の緑化をすすめています。従業員の環境意識を高めるとともに、共同で植樹を行うことで、事業部間での交流を深めることにつながっています。植樹後は年に1回、所内の環境取り組みに関わる従業員が剪定・間引きを行い、保全活動を継続して実施しています。
2017年から、TICの森のせせらぎでホタルが生息できる環境づくりに取組んでいます。ホタルの幼虫の餌となるカワニナ(巻貝)は、綺麗な水でなければ育ちません。そのため、従業員が自ら落ち葉や藻の除去、木の植え替えなどを行い、水質や産卵環境を整備。カワニナの自生を支え、ホタルが自然に定着できる環境づくりを進めています。
地域の方を対象に開催しているホタルの鑑賞会は、多くの感動の声をいただく製作所の代表イベントとなっています。また、次世代への環境教育にも力を入れており、小学生には自然を体感しながら学ぶ「自然探しビンゴ」を実施。中学生には授業の一環として、環境に関連した課題に取り組んでもらい、樹木プレートや廃材を使った展示品を展示しています。
SEGES とは、企業が所有する緑地を通じて社会や環境に貢献する活動や取組みを評価する国内唯一の緑地認証制度であり、様々な大企業の生産・開発拠点や研修施設等が認証取得しています。TIC の森を活用した取組みは、緑が少ない市街地における貴重な緑地空間での「継続的な従業員の自主的活動」・「地域住民との対話」・「学童向けの環境教育」が評価され、SEGESに認定されました。